測定キューブの熱中症特集
暑い季節が近づくと、話題になることが多いのが熱中症です。
熱中症とは「暑熱環境下にさらされる、あるいは運動などによって体の中でたくさんの熱を作るような条件下にあった者が発症し、体温を維持するための生理的な反応より生じた失調状態から、全身の臓器の機能不全に至るまでの、連続的な病態」と定義されているそうです。
症状によっては命にかかわることもある熱中症、それを防ぐためには適切な管理と予防が必要です。
![熱中症とは](/products/img/heastroke/illust_heat01.gif)
WBGTとは
WBGT(湿球黒球温度)とは、人体の熱収支に影響の大きい湿度、輻射熱、気温の3つを取り入れた 指標のことです。暑さ指数とも呼ばれており、熱中症予防のための指数として利用されています。 測定の際には、乾球温度、湿球温度、黒球温度の値を使って計算します。
WBGTが計測可能な測定器はこちら
WBGT 算出方法
屋外の場合 0.7×湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度
屋内及び日照していない場合 0.7×湿球温度+0.3×黒球温度
熱中症の症状
一口に熱中症といっても、様々な症状があります。 症状により、適切な処置の方法なども異なっています。
熱失神
炎天下にじっと立っていたり、立ち上がったりした時、運動後などにおこります。 めまいや失神(一過性の意識消失)などの症状がみられます。
処置方法 足を高くして寝かせると通常はすぐに回復します。
熱けいれん
大量に汗をかき、血液中の塩分が低下すると起こることがあります。痛みを伴う筋けいれんなどの症状がみられます。
処置方法 生理食塩水など濃い目の食塩水の摂取及び点滴によって回復します。
熱疲労
発汗による脱水などにより起こることがあります。 脱力感、倦怠感、めまい、頭痛、吐き気などの症状がみられます。
処置方法 水分と塩分を摂取することで、通常は回復します。水が飲めない場合には、点滴などを受けて下さい。
熱射病
過度に対応が上昇した場合、脳機能に異常をきたし、体温調節機能が破綻します。 症状としては、意識障害がみられ、応答が鈍い、言動がおかしいといった状態から進行すると こん睡状態になります。
高体温が持続すると脳だけでなく、肝臓、腎臓、肺、心臓などの 多臓器障害を併発し、死亡率 が高くなります。
処置方法 非常に危険な状態ですので、救急車を要請し、速やかに冷却処置を行ってください。
熱中症の予防について
命を危機にさらす可能性もある熱中症。 熱中症を未然に防ぐために私たちにできることは何でしょうか?
水分・塩分の補給
![熱中症の予防:水分・塩分の補給](/products/img/heastroke/illust4294thumb.gif)
のどの渇きを感じなくても、なるべくこまめに水分・塩分を補給してください。
室内環境を整える
![熱中症の予防:室内環境を整える](/products/img/heastroke/illust4286thumb.gif)
エアコンなどを使って温度調整を行ってください。
こまめな換気や、すだれなどを用いて室温が上がりにくい環境を確保してください。
衣服を工夫する
![熱中症の予防:衣服を工夫する](/products/img/heastroke/illust4280thumb.gif)
通気性の良い衣服、吸湿、速乾性の衣服を着用するなどしてください。
また外出時には日傘や帽子などを着用するのも効果的です。
体の冷却
![熱中症の予防:衣服を工夫する](/products/img/heastroke/illust4292thumb.gif)
保冷材や氷などを使って体をこまめに冷却してください。
熱中症予防については、厚生労働省からもリーフレットが発行されています。
熱中症予防については、厚生労働省からもリーフレットが発行されています。
また、熱中症予防については、WBGT指数の指針がありますので それを元に管理を行うようにしてください。
熱中症予防リーフレットPDF
【厚生労働省】 熱中症予防リーフレット(PDF:715KB)
熱中症の予防対策におけるWBGTの活用について
【厚生労働省】 熱中症に関する指針
運動に関する指針
気温(参考) | WBGT温度 | 熱中症予防のための運動指針 | |
---|---|---|---|
35℃以上 | 31度以上 | 運動は原則中止 | WBGT温度が31度以上では、皮膚温より気温の方が高くなる。 |
31~35℃ | 28~31度 | 厳重警戒 | 熱中症の危険が高いので激しい運動や持久走など熱負担の大きい運動は避ける。運動する場合には積極的に休息をとり水分補給を行う。 体力低いもの、暑さに慣れていないものは運動中止。 |
28~31℃ | 25~28度 | 警戒 | 熱中症の危険が増すので、積極的に休息をとり、水分を補給する。 激しい運動では、30分おきくらいに休息をとる。 |
24~28℃ | 21~25度 | 注意 | 熱中症による死亡事故が発生する可能性がある。 熱中症の兆候に注意するとともに運動の合間に積極的に水を飲むようにする。 |
24℃まで | 21度まで | ほぼ安全 | 通常は熱中症の危険性は小さいが、適宜水分の補給は必要である。市民マラソンなどではこの条件でも熱中症が発生するので注意。 |
日本体育協会(1994) 熱中症予防のための運動指針より
作業者に関するWBGT熱ストレス指数の基準値表
代謝率区分 | WBGT基準値(℃)※1 | |
---|---|---|
熱に順化している人 | 熱に順化していない人※2 | |
0 安静 | 33℃ | 32℃ |
1 低代謝率(軽作業) | 30℃ | 29℃ |
2 中程度代謝率(中程度の作業) | 28℃ | 26℃ |
3 高代謝率(激しい作業) | 気流を感じるとき | |
26℃ | 23℃ | |
気流を感じないとき | ||
25℃ | 22℃ | |
4 極高代謝率(極激しい作業) | 気流を感じるとき | |
25℃ | 20℃ | |
気流を感じないとき | ||
23℃ | 18℃ |
環境省ウェブサイトおよびJIS Z 8504指数に基づく作業者の熱ストレスの評価-暑熱環境よりこれらの数値は最高直腸温度38℃を許容限度として設定されています。
※1 基準値が限度を超えた場合、適切な方法により熱によるストレスを軽減する必要があります。
※2 順化していない人とは、作業する前の週に毎日熱にさらされていなかった人をいいます。
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